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2014/04/30
幼きあの頃は

『英雄は、旅の途中で村人の女の子を助け』
『森で出会った、異人の娘を受け入れて』
『騎士団の女性に、国への忠誠を誓い』
『大切な女性と、平和な暮らしを約束し』
『見事、悪い魔王を打ち倒しましたとさ』

『エイユウは、幸せになったの?』
『そうよ』
『僕たちは?』
『そうね』
『きっと、良い子にしていれば、神様が――』

「――幸せにさせてくれるって? はっ、いつまで夢物語見せてんだよ」
「現実に英雄なんざいねえ。英雄にもなれねえ。英雄が助けてくれるわけでもねえ」

「なあ、そうだよな。母さん」


アルマージュ編の敵として出てくる彼女らは、彼の幼少期、母に読んでもらった絵本にがっつり影響を受けている。それにしても、ハーレム状態の英雄譚である。モテモテである。

そういえば「31日の彼」が、ふりーむ!ゲームコンテスト短編部門金賞をいただきました。
改めて、プレイヤーの皆さん、感想をくださった方々、投票していただいた方々、少しでも興味を示してくださったあなたに、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。入賞だけでも頭が下がるのに、金賞までいただいてしまってもう土下座するしかありません。頭が上がりません。今でも信じられないのですが、どういうことなんです。果たして何が良かったのか。

と、考えを巡らせて辿り着いたのが世界観。自分の作品だからでしょうか。自分の作風がまったく見えません。故に世界観がどのように良かったのかさえ検討もつかないのです。
「うおおおお! 世界観ってなんだ! 一体、お前はなんなんだァッ!」と頭を抱えた最中、出会ったのが「メリデアナ」でした。「うおおおお! これは良い! なんだこの世界観は! たまら……世界観? そうか、これがセカイカン!」と電気が走りました。すっきりです。「世界観が素敵」という感覚がどんなもんなのか味わえたので、本件の議案は解決とする。

もう少しだけ、ゲームコンテストの話をする。
受賞作品はおそらく見られる機会も手に触っていただける機会も増えるだろうとは思うが、受賞していない作品も面白いものはたくさんあるのでぜひ見ていただきたい。すべてプレイしたわけではないが、個人的に楽しかった作品をつらつらと推していく。

◆AIAIAIAI
人工知能とお喋りするゲーム。といっても、初めはまだ「未完成で不十分」の状態なので、単語を教えながら会話を交わしていく。のんびりとしたBGMと綺麗な背景をバックに、サクッと短い時間で遊べます。

◆Crested Guilty ~天使たちの饗宴~
中編RPG。少し戦略性を必要とする戦闘スタイルですが、とても良いバランスで突破できるのがなかなか。ドット絵がとても綺麗である。あと動く。凄く動く。マップ内でもアクションができるので、動き回るだけでも楽しい。
キャラクターも非常に個性的である。あと、下ネタが物凄い勢いで迫ってきます。が、苦手な人でもぜひともやっていただきたい一作です。

◆Efframai -エフレメイ-
お化け屋敷を体感するようなアドベンチャー。物語性もキャラクターもいないが、じわじわとくる恐怖感をすぐさま味わえて楽しい。短時間でぞわっとできるので、空き時間などにどうぞ。

◆IADWAD
しんみりとした村で不思議な雰囲気を感じながら進めるアドベンチャー。淡々としているのが個人的にツボである。不思議な空気を味わいたい方はどうぞ。

◆ペイントレッド記念館
上記の作品と同作者さん。キャラクターを動かして、文章を読み進めていくのがメインで、合間合間に少し謎解きが入る。日誌を読むことが多いため、非常にテキストが多く感じられるが、それと同じく物語へ惹き込む力がある。終始暗い雰囲気ですが、個人的にはとても心地よい空気を感じた。

◆与えられた冒険
学校にいる怪物を倒しながら、黒幕を暴き出す長編RPG。どこにでもありそうな物語であるが、一番の魅力的な部分はキャラクターだろう。絵やテキストの多さで避ける人が多いが、中身が非常に濃いので好き嫌いせず一度味わってみてほしい。

◆少女奇談
謎解き和風ホラー。雰囲気がとても惹き込まれる。淡々と静かな場所を探索するのがメインであるが、時折少女の話が間に入ったりする。真EDへの辿り着き方が非常に難解であるが、気付いた瞬間は「あー、確かに」と納得できるものであった。「なぜ名前を変更できる仕様なのか」がポイントである。

つらつら語ったので満足。一覧を見ながら他の作品も見てみたが、面白そうである。こうしてどんどん未プレイのゲームが積みあがっていくのである。おのれ、フリーゲーム……。
2014/04/17
人生は道草の連続である

ゲーム製作も道草の連続であ……本当にそろそろ逸れるの止めたい。今作っているもの。予定とは外れ、また記憶の檻のように「短編だし、サクッとやればいいか」と思ったが運の尽きです。公開予定日に間に合わなかった時点で諦めるべきだったのですが、これまた悪い癖で「どうせなのだから、このまま熱いうちに叩ききってしまおう」と行動に。進路何度目の変更であろうか。

もう完成しないうちにおそらく「纏まらない」だろうことを強く認識しながら、進めていきます。や、きっちり目的を定めてオチも仮に用意してはいますが、もう何が「纏まって」何が「纏まらない」のかさえも不明瞭になってきたので、何も言わずにただ目的に向けて突き進んでいこうと思います。はい。

ざっくりご紹介しますと
■タイトル:1F(予定)
■ジャンル:短編アドベンチャー
■物語:意識を取り戻した時、目の前の女神が“あなた”に告げる。
「あなたは死にました。臨時的に魂を留めていますが、確実に蘇るには1Fに行かねばなりません」
箱庭の世界を巡りながら1Fを目指す、短編アドベンチャー。

完成後がどんな形を成すか予想できないので、記憶の檻の二の舞を考慮して「1F」は内々でのみ公開する予定です。内々といっても、ふりーむさん以外でアップローダーをお借りして公開の形なだけですが。
楽しむ内容としては、パートナー(緑の子)との交流のバリエーションが多い……ぐらいになるのでしょうか。まだ序盤の形もできていないので、そこまで明確なことが分からぬ。

キャラチップがかなり小さめ(ウディタ合成器の素材を改造)なので、探索時に小ネタを挟めるかも微妙である。主人公も主人公で『人型』ではないために椅子に座れねえ。……あ、でも代替品はありそうですね。挟めるならやってみます。
といっても、探索する箇所が記憶の檻並みに「同サイズほどの場所で、目的物を探し出す」箱庭形式なので、行動も制限されるだろう。一番雰囲気が近いのはドーラル編の自室と麦畑を往来するシステムでしょうか。それが複数回繰り返されるゲームだと思っていただければ。
2014/04/09
目玉とデオドール

昔から馴染みのあるオリジナルはゲーム上ではデオドールくらいなのだが、個人的に、デオドールさんは凄く怖い。怒ったら怖いとか、性格がサディストとかそういう意味ではなく、自分から見ると理解のできない感情を彼女は持っているのである。
ただ、これは本当に自分が「怖い」と感じているだけなので、他の人からすればそこまで恐怖を抱くほどのものではないと思う。あと、デオドールさんはデオドールさんで、内部事情が色々複雑なので説明しにくいというのもある。言ってしまえばネタバレになるが、おそらくゲーム上では明かされない事実なので、別にネタバレしたところで良いとは思っておる。ただもう少し、自分の中で設定が練り固まるまで暖めておきたい。

■目玉
さて、31日の彼の目玉の話。「目玉とは何か」とご質問をいただいた折に、自分なりに色々考えていましたので、つらつら話してみる。デオドールや神父のことは語っていたのですが、そういえば目玉のことはそこまで深く語っていないなあ、と。シレイリアと密接に関係していたから、というのもある。
直接返信させていただきましたが、改めて、もう一度こちらで質問を回答させていただきます。
それと文章だけだときっと纏まらないと思うので、下記の図とご一緒にどうぞ。

≫目玉は人に憑く物の様ですが、神父に憑いて来たのは目玉の意志ですか、それともランダムに選んだ人間の一人がたまたま神父なのですか?

目玉が人に憑く目的は「体を手に入れるため」なので、ランダムに手当たり次第、憑いていきます。人に憑くことで「対象を衰弱」させ、対象の体が死んだのちに「魂」を喰って同時に「体」を奪います。

≫目玉は生者を侵食出来ないとのことですが、獲物を自身の意志で狙うということは可能なのでしょうか?
 その場合、生者に目星を付けて死ぬのを待つのか、目玉の方から何らかのアクションを起こし、死に至らしめるという事なのでしょうか?

目玉が直接的に生者へアクションすることはなく、上記のように「憑いて」「衰弱させて」「死んだ肉体と肉体から離れた魂を喰う」のサイクルで行動しています。例えるとなると「幽霊」みたいな存在です。
肉体を得ると目玉は生者と干渉することができるので、子孫を残すために、次は上記の行動を「食料」として行いながら、種を残していきます。
(子孫を残すとは述べているが、柔いやり方ではなく筆舌尽くし難い方法なのでえげつねえのである)

≫目玉に存在を「喰われる」という事は死んだ後に行われる行為なのですよね?
 でしたら、目玉に存在を喰われた場合、その人間はどうなってしまうのでしょう?
 死んだ後の事ですので、生者の目には映らないのでしょうか?
 それとも幽霊のような形で人の目に映るのでしょうか?

抽象的に「存在を喰う」と述べていますが、もう少し具体的に説明すると「中身(魂)を喰って、外側(肉体)を奪う」ことを「存在を喰う」と言っています。ですので、どちらか片方が欠けていたら、形を得ることができません。
(もし目玉が遺体置き場に行ったとしても、その場に「魂」がいないので、肉体を制御することができない)
目玉に喰われた死後の人間は、二度と人の目に映ることもない上、転生という形もとれません。いわば、目玉と一体化してしまったようなもんですね。

≫今回ロナは目玉に存在を喰われると同時に、ロノに魔法で形を作られています。
 この時点でロナは二人存在している事になります。
 もし目玉ロナと魔法ロナ二人が出会った場合、またロノと目玉が出会った場合もどの様な事が起きるのでしょうか?

これはこちらの説明不足でしたので解説しますと、魔法で生成されたロナの体を、複数の者が使いまわしているような感じになっています。

「魔法で生成されたロナ(魂なし)」⇒「ロノとの再会時のロナ(本物の魂が入り込んだ)」⇒「存在を喰われた目玉のロナ(魂は目玉に喰われ、肉体は魔法で生成されたものを操作している)」

上記のような感じです。肉体を得た目玉は上記で書きましたように、「無作為に相手を選んで」子孫を残そうとしますので、目玉ロナと出会った際にシアバラの助けがなければ、ええ、はい、筆舌尽くしがたし。

≫目玉は存在を食べるのは食料として食べているのでしょうか?
 それとも習性の様な形でひたすら食べ続けるのでしょうか?

肉体を得る前は「肉体を得る」ために存在を食べます。
肉体を得た後は「食料」のために存在を食べます。

≫目玉が並行して食べられる存在の数に限りは無いのでしょうか?

やつは基本的に「憑いた者」しか存在を喰えない不器用なやつですので、一体のみです。ですが近場に「手軽に魂と肉体を得られそうな遺体」があれば、優先的にそちらを狙います。狙う際は神父から離れるので、その時の神父は疲労感から解放されて爽やかな顔をしています。

目玉の生態は、以上のようなものです。ご質問していただいた弘さん、ありがとうございました。
シレイリアと密接に絡んでいるし、目玉のことは次作のやつが完成してから語ろうと思っていたのですが、ちょうど良い機会ですし、次作もいつできるのか分からないしで語らせていただきました。今見返すと、それほどネタバレにもなっていない。

ただ、個人的に苦手な分野に入っているオリジナル(自分で生み出しておいて不思議なものですが、語弊を恐れず直截的に言うと下のほうが少し苦手なだけです。積極的に話すことでもないしなあ、と)だったので、あんまり話題に上げずにのらりくらりと茶を濁していました。細かい部分は設定していなかったのですが、元凶が元凶なので、やはりとんでもなく厄介な生物ができたなあ、と唸っている。

まあ、そんなお話です。
2014/04/02
ただいま

帰還しました。画像はエイプリルフールの残骸です。壁紙に使うなり、アイコンに使うなり、煮るなり焼くなりご自由にしてやってください。
そしてご存知の通り、昨日の記事もエイプリルフールでございます。普通に嘘をつくのもあれなので、謎々形式でさせていただきました。文章内の「青・黄・白」の文頭一文字を読んでいけば真実が。使いまわし。
今後もじわじわとゲーム製作は続けていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

あ、でも、一年を留守にして学習したり積んでるゲームを消化したい、という気持ちは本当です。
2014/04/01
おしらせ
嘘のように寒さがなくなり、青空が映えて桜が咲き始めた近頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
時々天候がぐらぐら動きますが、無事、今まで風邪を引かずにきている。健康ってスバラシー。

閑話休題。おしらせ。
色々考えたのですが、本日を持ちまして、しばらく製作を打ち切り、サイトの更新も停止しようかと思います。しばらくといっても、具体的には一年くらいを考えている。
で、理由を話しますと、黄昏たい……じゃなくて、さまざまなことを吸収したい、つまりインプットする時期にしたいと考えているのです。
まだまだ学びたいことがたくさんあります。製作に関する部分も学びたいし、IT知識も身につけたいし、消化できていないゲームやフリゲを消化したいし、久しぶりにWeb小説読みまわりたいし、執筆したいし、エトセトラ。
生半可な知識じゃあ、なかなか製作する際に自分が納得できないのです。付け焼刃程度のものではなく、しっかりした知識を持って、挑みたい。

そういうことで、約一年、ここを留守に致します。修行しに行ってまいります。
すぐに戻ってきます。一年は早いです。白衣と眼鏡と学士帽を頭に置いて帰還します。
それでは、また一年後。留守番の間は彼女に任せておいて、行ってまいります。

2014/03/26
果てのない話
記憶の檻の話。
31日の彼は特段メッセージ性もなく「こんな風に扉を自由に開閉できたり、物を持てたり、色々なアクションができる探索ADVプレイさせてくだせえ!」という欲望を前面に作っておりましたが、記憶の檻はシステム性より、自己表現が少し強い……気がしている。しているだけやも。
「具体的なテーマは?」と問われると、そこまで強い主張ではないのでどうにも答えかねる。「伝えたい」という単語も少し違う。「風刺か」と言われても、やはり首を傾げる。
なので、一番近いのは「自己表現」なのである。直截に述べると「自分が一度は考えた物事」である。故に、プレイヤーにこの題材について考えてもらいたい、とかそれほど思っていない。むしろ記憶の檻の場合は、あまり深く考えぬほうが良いと思っている。自己の経験談。

もう少し本題に寄ろう。記憶の檻で表現したいことは「人の記憶」ではなく、ラストの医師同士の掛け合いが、一番自分が言いたかったことと断言してもよい。
誰しもが一度通るのか掠るのかどうかは人それぞれですが、昔、どうでもいいことを延々と深く考えて自分が納得できる答えを出す、という考え事を癖のようにしていた時期がありました。自己完結なので、出した解答が他から見て正しいかどうかは不明瞭ですが、要は自分の中で自分を説得できればようやく考えることをやめられる、という厄介な性癖が昔はあったのです。今はだいぶんと緩和されてますが。
で、最終的にぶち当たった考え事が「生きる意味」です。どういった経緯でそこに辿り着いたかはよく分からんのですが、たぶん哲学的なことを考えるのが好きだった時期でもあったので、「なぜ人は生きるのか」とか「生きる価値ってなんだ」とか、人によって解答が複数用意されてはいるものの、確実に「正解」というものが存在しない、つまり「果てのない」考えに到達してしまったわけです。無論、いくら考えたところで答えなど出ず(「いつか分かる」と言われたが、そういった受身な態度が当時は認められなかった)、解答が出ない=そもそも価値も意味も存在せんのでは、と一気にネガティブコースへようこそ状態に行き着いてしまったと。

そこからしばらくは、まあただひたすら虚無感しか漂わない思考が続くのみです。どうやって「もうこの題材について考えるのはやめよう」と割り切れたかは分かりませんが、結果的には延々と考えなくて良かったなあと思う。
これについて考えることがだめなわけではない。時々は考えたってよい。が、身の丈にあった考え事をすべきだったなあ、と結論が出た。若かったあの頃に「人の生きる意味・価値とは」という題材は難題すぎた。知識も社会経験もゼロに等しいのに、熟していない脳でいくら考えたところで納得させるどころか解答も出てこぬ。
そしてたぶん、永遠にこの題材の答えは「出てこない」んじゃないのかな、とあれから数十年経った今でも思う。思考派から行動派に移行したのもあるが、それでも答えは出てこないと思う。時々「なんで生きてるんだか」と頭に過ぎる時もあるっちゃあ、あるのですが、対処方法が身についてしまったのか、すぐさま「そんなもの、分からない、でいい。知らなくていい。分かる時がこなくても大丈夫だろ」と自答している。それでいいと思っている。

記憶の檻の話に戻る。
「では、もしもあのまま考えることをやめずにいたら?」「もしも延々と考えても納得できず、過剰な心身のストレスを受け続けたら?」
そう思って作り出されたのが、患者の彼らや記憶移行障害です。極度のストレスを回避するために、防衛本能が働いて記憶を消していく。無論「記憶移行障害」自体は架空の病気ですので、類似している「記憶障害」とは深い関わりはありません。

と、色々書き出してみたところ、シナリオの本で見たのだが、これ無意識にテーマができてるや……(「もしも~したら?」の部分がテーマになる)。やはり欠けているのは「目的」と「テーマと目的の繋がり」の二つなのだろうか。

そんなこんなで、長々とした話はこれにて終わる。
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